カテゴリー別アーカイブ: ■ 本を読もう/Books

本を読もう 13 「あさになったのでまどをあけますよ」

荒井良二 『あさになったのでまどをあけますよ』

今日絵本紹介します。

日本の 絵本作家、荒井良二(あらい りょうじ)さんの 作品です。

絵本より)

あさになったので まどをあけますよ

やまは やっぱり そこにいて
きは やっぱり ここにいる
だから ぼくは ここがすき

うみは やっぱり そこにいて
そらは やっぱり そこにある
だから ぼくは ここがすき


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で、くで、で、それぞれの 場所に、それぞれの が きます。

「あさになったのでまどをあけますよ」

まどを けると、そこに あるのは、いつもと ちっとも かわらない 風景です。

その あたりまえの 風景き、自分らす この 場所き。
そう いえるのは、とても せなことだと います。

自分場所」で、今日も あたらしい える び。

荒井良二さんの エネルギッシュな とともに、そんな びが わってきます。

 
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本を読もう 12 「サラダ記念日」


俵万智『サラダ記念日―俵万智歌集』

「この味がいいね」と君が言ったから 七月六日は サラダ記念日

俵万智(たわら まち)さんの 短歌集(たんかしゅう)『サラダ記念日(きねんび)』を 読みました。

25年前に 出版されて、ベストセラーになった 有名な本です。

俵万智さんは、短歌(たんか)を 詠む(よむ) 歌人(かじん)です。

短歌とは、音の数が 決められている 詩(し)のことで、歌とも いいます。

「5・7・5・7・7」の 31文字というのが 決まりです。

「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日

この歌も、5・7・5・7・7 です。

このあじが(5)
いいねときみが(7)
いったから(5)
しちがつむいかは(7)
さらだきねんび(7)

作品を いくつか ご紹介します。

「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ

今日までに私がついた嘘なんてどうでもいいよというような海

妻のこと「母さん」と呼ぶためらいのなきことなにかあたたかきこと

会うまでの時間たっぷり浴びたくて各駅停車で新宿に行く

駅員の「お疲れサマ」という言葉微妙に届く心の疲れ

何気ない 日常が 歌に よまれています。


実はこの本も、日本語の教科書がきっかけで読みました。

『初・中級学習者向け日本語教材 日本文化を読む』という 教科書に、この ふたつの歌が のっていました。

「また電話しろよ」「待ってろ」いつもいつも命令形で愛を言う君

「嫁さんになれよ」だなんてカンチューハイ二本で言ってしまっていいの


「あとがき」の中で、俵万智さんは、こんなことを書いています。

「表現手段として、私は歌を選んでいる。惚れてしまったのだ、31文字に。1300年間受け継がれてきた、57577という魔法の杖。定型のリズムを得た言葉たちは、生き生きと泳ぎだし、不思議な光を放つ。その瞬間が、好きなのだ。」


「なんてことない24歳。なんてことない俵万智。なんてことない毎日のなかから、一首でもいい歌をつくっていきたい。それはすなわち、一所懸命生きていきたいということだ。生きることがうたうことだから。うたうことが生きることだから。」

24歳だった俵万智さんの、短歌への情熱がすてきです。

 
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本を読もう 11 「じぶんのための子守唄」


工藤直子『じぶんのための子守歌』 PHP研究所

「そばにいる」

せなかにのこる
「てのひら」の記憶がある
まいごになった
わんわん泣いた
五歳のわたしの肩のまんなか
ちいさなくぼみをさすってくれた
おおきな「てのひら」
  だいじょうぶ そばにいるからね
  だいじょうぶ そばにいるからね
「だいじょうぶ」という ことばにゆられて
五歳のわたしは泣きやんだ
「そばにいる」それだけでうれしくて
  だいじょうぶ そばにいるからね
  だいじょうぶ そばにいるからね
「てのひら」から伝わった
あれは なにだったのだろう

もしかして ひとはみな
こころの ふかいところに
ちいさな海を 持っているのかな
そしてそれは あつまって
ひとつの おおきな
海になっているのかな
「だいじょうぶ」と ささやきあう
―――そんな海
「そばにいるからね」と うなずきあう
―――そんな海


「双子の心」

「はい」といったら ウソになってしまう
「いいえ」といっても ほんとうではない
「はい」と「いいえ」のあいだに
100万の 虹色の 答えがある
  それが「こころ」っていうもんさ
  「はい」と「いいえ」の双子の心

「おお笑い」のおくに 悲しみの泉がわき
「おお泣き」のはてに 希望のカケラが浮かぶ
「おお笑い」と「おお泣き」のあいだいに
100万の 虹色の 人生がある
  それが「こころ」っていうもんさ
  「わらい」と「なき」の双子の心


この本に のっていた 詩を ふたつ ご紹介しました。

工藤直子(くどう なおこ)さんという人を わたしは 先週 初めて 知りました。今年 78歳の おばあさんだそうです。

工藤直子さんを 知った きっかけは 日本語の 教科書です。
『初・中級学習者向け日本語教材 日本文化を読む』という 日本語の 教科書に、「てつがくのライオン」という 作品が のっています。その作品が すっかり 気に入った わたしは、 この 教科書を 読んだ 次の日、 図書館で 工藤直子さんの 本を 探しました。

そうして 読んだのが この本です。

やさしい 言葉が つまった 詩集です。みなさんも ぜひ どうぞ。

 
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